イコライザーでイケボを作る設定を教えて?
あなたの話し方や言葉の個性を引き出す調整をすると「良い声」と言われやすくなります!
この記事では、イコライザーでイケボを作りたい方へ、マイクの音質調整方法を詳しく解説します。
結論としては、あなたの理想のキャラクターを決めて、その個性を強調するイコライザー設定をすれば、自然にイケボになります!
- イケボは話し方と音域で決まるキャラクターから生まれる
- 低音と高音は距離感を演出する
- デフォルトがダメならマイクを交換しよう
- 目指すべきキャラクターを軸に調整する
- 個性は800Hzから4000Hzの倍音に宿る
- 禁じ手ボイスチェンジャーは進化し続けている
一口にイケボと言っても、
- 重低音おじさん系イケボ
- クール男子ささやき系イケボ
- かわいい系ふんわりイケボ
- エッジの効いたちょい悪イケボ
など、様々なイケボがあり、目指す声によってイコライザー設定も変わります。
誰でもイケボになる固定の調整方法はありません。イコライザー設定をマネしてもダメだった経験のある方も多いはずです。
イコライザーをいじったり、新しいマイクを購入する前に、あなたが理想とするイケボの方向性を決めて、そこに近づけるために調整を行う必要があります。
話し方や、使う言葉も聞き手にイメージを持ってもらう大きな要素です。
全ての要素の相性ががっちり合わさると、聞いていて気持ちが良いイケボが作れるので、まずはどんな要素があるのかを知ってからイコライザー調整に入りましょう。
それでは、イコライザーでマイクからの声をイケボにする方法について詳しく説明します。
イケボの第一歩|最初に設定すべきは目指すキャラクター
イコライザーでイケボを作るには、どの方向性のイケボにしたいのかキャラクターを決める必要があります。
- ささやき系なのにエッジが強くて耳障り…
- 元気で明るい声なのに低音がうざい…
- 渋いオジ系なのにすっかすか…
どこかで見つけた固定のイコライザー設定のせいで、せっかく元の声が良いのに残念ボイスになってしまう危険があります。
失敗なくイコライザー設定をするためにも、まずは以下の2つを確認しましょう。
- イケボの定義|話し方 × 音域 = キャラクター
- イケボとイコライザーの関係|低音&高音と距離
それぞれを理解すれば、どんなイコライザー調整をすれば良いかがなんとなく見えてくるはずです!
イケボの定義|話し方 × 音域 = キャラクター
イケボとは、聞き手に「良い声だ」と思わせられる声です。
ある人は「低音が強く、芯があって迫力がある声」をイケボと言いますが、ある人は「吐息交じりで儚い感じの声」をイケボと言う人もいます。
私の場合は、とある魔術の禁書目録の「アクセラレーター」とかヒロアカの「爆豪勝己」を演じる岡本信彦さんの声は「かっこいいなぁ!」って思います。
つまり、イケボに正解は無いです。
でも、イケボを構成する要因があるので、説明します。
イケボを決定する要因の1つは”話し方”です。
話始め、子音、語尾、使う言葉、抑揚など、様々な要素が絡み合って1つの話し方になります。
もう一つのイケボの要因は、”音域”です。
低い声なのか、高い声なのか、超高音や重低音の倍音域を使うのか、などの要素が絡み合って発声する音域が決まります。
話し方と音域が決まると、その組み合わせがその人の”キャラクター”になります。
キャラクターが決まれば、相性の良いマイクや、イコライザー設定も自然に見えてくるはずです。
例えば、ONEPIECEのバギーを演じる千葉繁さんの声を調整するとしたら、喉の奥でファルセット気味に発生される超高音域倍音の強調や、獣がうなるような話し初めの低音調整で個性を際立たせられるだろうな、という予測ができます。
話し方や言葉遣いと、発声されている音域を把握して、自分がどんなキャラクターとして聞き手に届いているのかを把握してから、イコライザー調整に入りましょう!
イケボとイコライザーの関係|低音&高音と距離
マイクに口を近づけて話すと、低音や高音が録音されやすくなります。
逆に、マイクから口を遠ざけると、中音域が残り、低音や高音は小さくなります
つまり、人の耳は聞こえる音域によって、距離を感じることができます。低音や高音が強いほど距離が近く感じるということです。
ささやく系イケボの配信者がイコライザーで中音域を強調すると、ささやきなのになぜか遠くで話しているという矛盾が生じて、物足りない印象の声になります。
ささやく系の人は、ドンシャリと呼ばれる低音や高音を強調した設定にすると、聞き手からは現実に耳元でささやかれているような自然な印象を与えられます。子音や歯擦れ音、吐息まで聞こえる感じです。
次に、わいわい元気に常に大きな声で話す配信者の場合を考えてみましょう。
ドンシャリにしたら耳元でギャーギャー騒がれているような気分になりますね(笑)
イコライザーで高音の耳に痛い音域を削ったり、低音のこもり気味な部分を削れば、ステージ上のお笑い芸人を見ているようなちょうど良い距離感を演出できます。
あなたの話し方やキャラクターが、どんな距離で話すべきかを考えると、最適なイコライザー調整の方向性が見えてきます。
イコライザーやフィルタを触る前にデフォルト調整|必ずゲインを調整しよう
キャラクターが決まって、イコライザー設定のイメージも掴んだら、さっそく調整しよう!となる気持ちもわかりますが、まずはデフォルトの音を確認しましょう。
確認すべきことは、以下の3つです。
- マイクやオーディオインターフェースのゲイン調整
- 録音して自分の声がどんなイメージか確認
- ノイズの確認
それぞれを詳しく説明します。
マイクやオーディオインターフェースのゲイン調整|できるだけ大きくしよう
ノイズとの音量差をつけるために、マイクやオーディオインターフェースのゲインは、割れない範囲でできるだけ大きく設定しましょう。
PCにマイクを繋げると、どんなに良い機材を使っていても電気的なノイズが発生します。
この時、マイクからの声の音量が大きければ、ノイズとの差が大きくなるので、後でノイズ抑制をかけた時に、声の劣化を最小限にできます。
調整方法はこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください↓
録音して自分の声がどんなイメージか確認|理想のキャラより自分に近い方を選ぶ
「ささやき声で、クールでかっこいいイケボで配信したい」と思うのであれば、まずは録音してそれができるかどうかを確認しましょう。
録音でできなければ、配信本番でも絶対にできません。
また、残念ながら、全くできていない場合は練習をしてもできるようにならないことが多いです。
演技が上手で色んな役をできてしまう人もいますが、元の声や話し方を活かすべき人もいます。
もし、演技が苦手な場合は、自分自身のキャラクターや話し方、使う言葉をよく観察して、自分自身に寄せてキャラクターを設定し直しましょう。
演技が嫌いなら、その方が配信も楽です(笑)
ノイズの確認|デフォルトで大きすぎるマイク交換がおすすめ
デフォルトの状態でノイズが大きすぎないかを確認しましょう。
ノイズが大きすぎて音質が悪いならマイク交換をおすすめします。
OBSのフィルタなどでノイズ抑制ができますが、ノイズが大きすぎる場合、ノイズ抑制を強くかける必要があり、声まで劣化します。
イケボを作るなら、ノイズ抑制による声の劣化は絶対に避けるべきです。
どんなに時間をかけて調整しても、大きすぎるノイズの抑制とイケボは両立できないので、マイク交換で解決します。
ノイズ対策方法についてはこちらの記事をご確認ください↓
元の音が悪すぎると感じたら機材を変えよう|USBマイクでも高音質は実現できる
音質の95%は機材で決まります。
どんなに天才的な調整をしても、あなたの声に合った機材を使った音には敵いません。
デフォルトの状態で「音が悪すぎるなぁ」と感じたら、素直に機材を交換しましょう。
予算が少ない場合は”USBマイク”をおすすめします。
USBならオーディオインターフェース無しで接続可能で、マイク1本で環境を激変させられます。
最近はプリアンプ内蔵のダイナミックマイクまで出てきています。
とにかく安く済ませたいなら、おすすめはこちら↓
FIFINE AmpliTank K688 USB/XLRダイナミックマイク
接続方法 | USB-C to USB-A |
---|---|
タイプ | ダイナミックマイク |
デザイン | ブラック |
指向性 | カーディオイド(単一指向性) |
ミュート機能 | 有 |
PS5での利用 | 可能 |
設置 | 付属スタンド、マイクアーム利用可能 |
ダイナミックマイクなので生活や周辺のノイズを小さくできる上に、プリアンプ付きでゲインを高められて電気的なノイズも軽減できます。
独特のフラットで丸みのある聞きやすい声で録音できるので、ささやき系や低音系のイケボに近づきます。
しかも、XLR端子がついているので、オーディオインターフェースを使いたくなった場合も、そのままこのマイクを利用できます。最高。
USBマイクはここ数年で充実してきています。こちらのランキング記事も参考にしてください↓
イコライザーとフィルタ設定の実例|キャラクターを軸に意味を込めればイケボが作れる
イコライザーとフィルタ設定をする手順は以下の3つです。
- 各帯域の効果とあなたの声への影響を調べる
- キャラに合わせてイコライザーを調整する
- その他のフィルタでイケボを仕上げる
大事なことはキャラクターに合った調整をすることです。低音を増やせば誰でもイケボになれるわけではありません。
配信リテラシーが高まった現代において、無駄に重低音ボイスを作っても「低音強調きもい」と思われて終わりです(笑)
丁寧に、意味を込めた調整をすれば、自然でセンスの良い個性のあるあなただけのイケボが作れます。
各帯域の効果とあなたの声への影響を調べる
イコライザー調整は、音の高さごとに、声への影響が変わります。
以下の表をご覧ください。
20Hz未満 | 聞き取れない |
---|---|
120~200Hz | 男性の話し声 |
200~300Hz | 女性の話し声 |
200~800Hz | テンションの高い大きな声 |
800~1500Hz | 叫び声・悲鳴・裏声 |
1500Hz~4000Hz | 多くの子音 |
4000~5000Hz | さ行の歯擦れ音 |
5000~20000Hz | 「し」の歯擦れ音 |
20kHz~ | 聞き取れない |
各周波数でなっている音をざっくり表にしました。
声の実音は低めで、落ち着いた話し声で500Hzを越えることは稀です。
ただし、人の声には倍音と呼ばれる実音以外の音が同時に発生しています。
口から喉にかけての大きさや形によって変わるので、800Hzから4000Hzあたりをいじった時にどんな変化があるかを確かめておきましょう。
また、「し~」っと発音したときに、歯擦れ音がどのあたり周波数にあるのかを確認してください。
やり方は、各イコライザーによってリアルタイムに周波数を確認できる機能がついているはずです。
私の場合は、TDR novaという無料プラグインを使っていて、右上の「Analyzer」をONにするだけで利用できます。
あとは、「し~」と発音して、5000~20000Hzあたりで大きくなっている部分を確認してメモしておきます。
※近いうちに動画にしますね!TDR novaはこちらの記事がとてもわかりやすく説明してくれています↓
https://chirico-music.net/tdr-nova
キャラに合わせてイコライザーを調整する
やっと調整です!やることは以下の3つだけです。
- 300Hz以下の低音調整で距離感を演出する
- 800~4000Hzで人と違う良い音があれば強調
- 4000Hz以上の「さ行」で耳障りな音を削る
視聴者との距離を考えて、300Hz以下をどれくらい削るかを考えます。
低音系のガチ恋系のイケボを作るならブーストしても良いですが、その分800以上の倍音は相対的に小さくなることを覚えておいてください。
簡単に言えば、個性が消えます。丁寧にバランスを取ってください。爆上げすると「低音強調きもい」の仲間入りします。
次に、800~4000Hzの中で、「なんか不思議な音だ」と感じる周波数や、「良い音だな」と感じる部分があれば少し強調しましょう。
これがあなたの個性です。
最後に4000Hz以上の「さ行」の中で、耳障りな周波数を削ります。
1日で決まるようなものではないので、配信した音声を聞いて、少しずつ毎日調整しましょう。
その他のフィルタでイケボを仕上げる|いつでも目指すべきキャラクターを軸に考える
イケボを作るためのイコライザー以外のフィルタの使い方はこちらを参考にしてください↓
どんな時でも、あなたが目指すキャラクターを意識して調整しましょう。
例えば、元気にハキハキ話すキャラなら、「コンプレッサーのアタックを遅めにして子音が強いエッジの聞いた音にしよう」など、意味のある調整を続ければ、視聴者も自然にその意図を理解してくれます。
良い意味での適当さ演出するなら、わざと音割れするような設定にすれば粗雑さや下品さを出せるはずです。うるさくない程度にノイズも添えたら完璧です。
誰にとってもイケボになる設定はありません。ノイズも音割れも使いようです。
ぜひ、あなたのセンスで、あなただけのイケボを目指してください。
ボイスチェンジャーでイケボは作れるか|作れるし今後も発達していく
最後に、どうしても出したい声があるとか、自分の声が大嫌いという方にボイスチェンジャーについてお話しします。
多くのVTuber系の方が、頭の片隅で「ボイスチェンジャー使えばイケボ(カワボ)になれるかな?」と思っているはずです。
結論から言うと、なれます。
しかも、今後はどんどん発達して自然になっていきます。
こちらの動画をご覧ください↓
冒頭10秒でわかりましたね(笑)
どうしても自分の声が嫌なら、ボイスチェンジャーで変えてしまいましょう。